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はじめに

2003年6月、株式会社エフ・イー・シーFEC (M) SDN BHDより、マレーシアのカスタムチップ開発プロジェクトの立ち上げ協力の要望を受けたことに端を発し、同プロジェクトの事業計画/戦略策定~実行に携わることになる。

RFIDはRadio Frequency Identificationの略で、専用機器を使って非接触で微小ICチップへの情報書込みや読出しを行い、ICチップそのものに固有情報を持たせる技術である。同技術は、「いつでも」、「どこでも」、「誰とでも」を情報通信ネットワーク上にシームレスに接続させるユビキタス社会を実現する上で重要な技術として注目されている。

ただ、MMプロジェクト立ち上げ当時はRFIDという言葉自体がまだ市場に一般化しておらず、ウェブ上で公開されている情報 も限定的であった。マレーシアにおいては、交通系プリペイドカード「Touch'n go」や国民カード「MyKAD」にICチップが当時から適用されていたものの、まだ活用の仕方等における認知度は低かったと言える。ただ、MMプロジェクトにおいては、立上げ当時からマハティール首相(当時、以下同様)の多大なる協力を得ることができ、マレーシアの国家プロジェクトとしての位置づけで事業を進めることができたことは大きい。

Note)
以降では、私が関わった部分で公開可能なレベルでのプロジェクト実績を取りまとめています。ほとんどが現在進行中のプロジェクトであるため、細部については公開できないこと、ご理解願います。

 

MMプロジェクト

MMプロジェクト概略

『MMプロジェクト』はMalaysia Microchip Projectの略で、「マレーシアのカスタムチップ『MMチップ』を活用し、ユビキタス社会の創生をマレーシアから世界に向けて推進/主導することを目指した活動」を意味している。

当該プロジェクトにおいて、FECはマレーシア政府協力の下、マレーシアのカスタムチップ『MMチップ』の開発から専用R/Wの開発、および周辺機器/媒体開発、更にはそれらを活用したアプリケーションを開発するという幅広い業務を実施してきている。

プロジェクト立上げに際しては、対マレーシア政府への事業計画書の作成、マレーシア国内における事業体制整備、各種イベント企画等々が私の主要業務であった。それから時を経て、近年ではRFIDという言葉が広く一般に認知され、私の業務内容にも変化がでてきた。今ではRFID技術の応用領域が主要業務となり、アプリケーション開発や応用技術開発へとシフトしている。

MMコミッティー設立

2003年9月、マレーシア国内における事業体制整備の一環として、マレーシア首相府にMMプロジェクトの動向管理・監督を 行うMMコミッティーを設立。同コミッティのチェアマンにはマレーシア国首相に就任いただくことで、トップダウンでプロジェクトが進められるような体制を整えることができたと言える。


MMコミッティ記者会見(2004年3月2日)
左からFEC一岡社長、マハティール首相(当時)、
ライス・ヤティム首相府大臣(当時)

当初、同コミッティーの基本形は日本のe-Japanイニシアチブを参考として考えていたが、マレーシアの国柄や進め方を考 慮した結果、MMプロジェクトには適していないと判断した。マレーシアの場合、首相や大臣の権限が日本以上に強く、且つ省庁を横断して共同でプロジェクトを進めると言う環境が整っているとはいい難い。また、できるだけ組織の拡張を行わず、簡素なものとすることで、政治的なしがらみをできるだけ排除することを念頭に置いた。

プロモーション活動

MMプロジェクトの認知度向上のため、私自身、RFID関連の展示会出展等々の各種イベント企画・サポートを行う機会が多々ある。イベントはマレーシア国内のみならず、日本やシンガポール、韓国、ドバイといった国での展示会イベントにも積極的に展開し、ある程度の知名度は得られたと思う。

イベントの中でも個人的に特に印象に残っているのが、2004年11月10日~11日に東京で行われた「Smart Labels Asia 2004」である。同イベントは、IDTechExが世界各国で主催しているもので、RFIDイベントとしては老舗的な存在とも言える。FECとMMコミッティーが共同出展するに際し、マハティール氏に駄目もとで同イベントでの講演を依頼した所、多忙な日程にも関わらず快諾してくれた。この 頃、マハティール氏のRFIDに対する知識はかなり深いものとなっており、講演では自身の言葉でRFIDの可能性等々について話されていた。


Smart Labels Asia 2004で講演するマハティール氏

Smart Labels Asia 2004の案内が下記ウェブにまだ残っています。

アプリケーション開発

この分野に関しては、プレスリリースができていないため、殆どの情報が非公開となっている。ただ、現在進行形でマレーシア国内での公共分野向けアプリケーション開発や、国際的な連携を伴ったアプリケーション開発が実証試験ベースでいくつか進展している。

その中でも、航空タグ実証試験はFECが2005年から手掛けている大型プロジェクトであり、私自身多くの関与をしているものである。この他にも、マレーシアのローカル市場がRFID技術に対して注目が高まってきており、同時進行的に複数案件を動かしている。

この中での私の役割は、テクニカルな分野でのプロジェクト統括を担っている。とは言え、プロジェクトの事業計画書策定から関連各社・機関との打合せ、そして実証試験実務、データ分析業務等々、この分野では人材が豊富でないことからA to Zでカバーしている。ただ、最近ようやく技術部門の人材育成で成果が出てきており、マネジメントとしての役割を担えるに至っている。

 

最後に

私自身、アジア諸国において尊敬できる政治家としてリー・クアンユー氏、李登輝氏、マハティール氏の3人をいつも挙げている。今回、MMプロジェクトに携わることになり、尊敬する一人であるマハティール氏を身近に感じながら仕事ができたことは幸運であったと思う。

そして、マハティール氏と少しではあるが仕事を通じて関わりを持ったことで、氏のテクノロジーに対する関心の高さ、さら判断力と行動力の凄さを身近で感じることができた。MMプロジェクト立ち上げ時、マハティール氏は首相という立場であったにも関わらず、MMプロジェクトに貴重な時間を割き、色々なサポートを与えてくれた。氏とのミーティングのセットアップでさえ、いつも考えられないような早さで日程が設定されていたと記憶している。今考えると、多分、空いた時間で調整するのでなく、自ら時間を作ってくれていたのではないかと想像する。他の大臣であれば、ミーティングのアポイントでさえ普通は数ヶ月待ちという状況であったことを考えると、これはかなり特筆すべきことと思う。

また、マレーシアという国柄からか、本当にグローバルなビジネス機会が多い。FECの仕事だけでも、アジア諸国、北米・南米諸国、欧州諸国、中東諸国、アフリカ諸国の企業群とビジネス機会があり、且つ世界的に名の知れた大手グローバル企業との事業機会もある。当初、マレーシア国内だけでほぼ完結するものと予想していたMMプロジェクトではあるが、そのポテンシャルは年々拡大しているように実感している。

上記以外にも、私自身のタスクにおいてMMプロジェクトとして多くの実績や成果があるものの、非公開情報となっているため、当ページで言及することはできない。ただ、MMプロジェクトはまだ進行中のプロジェクトであり、機会があれば、またこのページに情報を載せて行きたいと思う。

関連リンク

 FEC International (M) SDN BHD

 SENSTECH SDN BHD



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